「ハマスホイとデンマーク絵画展」東京都美術館で開催(中止)|展示内容を徹底紹介!アクセス、混雑状況も

国内旅行
  • 北欧のフェルメールことハマスホイの作品約40点が展示
  • ハマスホイ周辺のデンマーク画家の作品展示によりハマスホイの源流が知れる
  • 日本初の本格的なデンマーク絵画展
  • デンマーク文化を知る

 1980年代に入るまでほぼ無名の画家だった「ハマスホイ」。近年、ハマスホイの評価は世界的に高まり続けています。日本では2008年にはじめての展覧会が開催されました。今回の展示会は、ハマスホイに加え影響を与えたデンマーク画家の展示も含めた日本初デンマーク絵画展です。

 上野・東京都美術館で3月26日(木)まで開催されるこの展示会に行ってきましたので、基本情報から混雑情報、グッズ、展示内容について徹底解剖します。

 これから「ハマスホイとデンマーク絵画」に行かれることを検討している方はぜひ参考にしてみてください。

開催概要

コロナで会期中でしたが中止となってしまいましたね…。

次回の開催に期待しています。

営業概要

期間:2020年1月21日(火)~3月26日(木)
会場:東京都美術館 企画展示室
   (〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36)
休館日:月曜日、2月25日(火) ※ただし、2月24日(月・休)、3月23日(月)は開室
営業時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
夜間営業:金曜日、2月19日(水)、3月18日(水)は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
料金:前売券 | 一般 1,400円 / 大学生・専門学校生 1,100円 / 高校生 600円 / 65歳以上 800
   当日券 | 一般 1,600円 / 大学生・専門学校生 1,300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1,000
   団体券 | 一般 1,400円 / 大学生・専門学校生 1,100円 / 高校生 600円 / 65歳以上 800
   ※団体割引の対象は20名以上

  • ※中学生以下は無料 *3月20日(金・祝)~26日(木)は18歳以下[平成13(2001)年4月2日以降生まれ]無料
  • ※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
  • ※いずれも証明できるものをご持参ください

イベント概要

記念講演会

  本店学術協力者・研究者のテーマ講演

日時:2020年2月22日(土) 14:00~15:30(開場13:30)
テーマ: 「19世紀のデンマークとヴィルヘルム・ハマスホイ」
講師:萬屋健司氏(山口県立美術館 学芸員)
会場:東京都美術館 講堂(交流棟 ロビー階/定員225名)


※聴講無料。ただし本展観覧券(半券可)が必要です。
※当日13:00より講堂前で整理券を配布し、定員になり次第、受付を終了。
※整理券は、一人につき一枚の配布となります。

イブニング・レクチャー

担当学芸員の見どころを解説。


日時:2020年2月14日(金) 18:30~19:00
講師:髙城靖之(東京都美術館 学芸員)
会場:東京都美術館 講堂(交流棟 ロビー階/定員225名)

日時:2020年3月6日(金) 18:30~19:00
講師:髙城靖之(東京都美術館 学芸員)
会場:東京都美術館 講堂(交流棟 ロビー階/定員225名)

※聴講無料。ただし本展観覧券(半券可)が必要です。
※当日、開始時間の20分前より開場し、定員になり次第、受付を終了。
※ご本人以外の席の確保はご遠慮ください。

ART meets MUSIC

入場整理券制
「東京都美術館×東京文化会館×東京都交響楽団」の連携による、展覧会も音楽会も両方楽しむ特別企画。本展観覧券(半券可)をお持ちの方を音楽会に無料招待。入場には整理券が必要。

日時:2020年2月27日(木) 11:00開演(10:30開場/12:00終演予定)
出演:東京都交響楽団メンバーによる弦楽四重奏
会場:東京文化会館 小ホール(台東区上野公園5-45)

※入場無料。ただし入場整理券が必要。
※定員になり次第、入場整理券の配布を終了。
※入場整理券は、1月21日(火)から東京都美術館のインフォメーション(LB階)で配布。

障害のある方のための

特別鑑賞会 事前申込制
普段は混雑している特別展を障害のある方が安心して鑑賞できるように、休室日に鑑賞会を開催します。

日時:2020年3月9日(月) 10:00~16:00
対象:身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳などをお持ちの方、各回350名とその介助者(1名まで)
申込期間:2020年1月13日(月・祝)~2020年2月3日(月)

※申込方法等の詳細は、障害のある方のための特別鑑賞会「ハマスホイとデンマーク絵画」をご確認ください。

アクセス

JR上野駅「公園口」より徒歩7
     東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅「7番出口」より徒歩10
     京成電鉄京成上野駅より徒歩10

上野公園口から

駅前〜大噴水前


※上野駅公園口は2020年2月現在工事中。

上野駅公園口を降りて上野公園の方向に真っ直ぐ歩いて行きます。
約4分ほどで大噴水手前に到着します。

大噴水前〜東京都美術館

大噴水前で国立美術館を正面にして、
左手に進むと東京都美術館にすぐ到着いたします。

左手には上野動物園があります。

京成上野駅側から

正面口〜遊歩道

正面口に入ると2つ西洋美術館に向かう道があります。
上写真で言うと「右側の階段」を歩くか、
写っていないですが「左側の側道」を歩くかになります。
距離はどちらも変わらないので眺めが良く、
平坦な道の左側側道を選ぶことをオススメします。
下地図の「現在地」から「大噴水」の方にまっすぐ進みます。

遊歩道〜大噴水手前

並木道をまっすぐ歩いていくだけです。

海外からの旅行客が非常に多かったです。
上野は大観光スポットですから当たり前ですね。
5分程度で、左=動物園、正面=国立美術館、左=東京都美術館の分岐点になる
大噴水前に到着いたします。

大噴水前〜東京都美術館到着

大噴水前で国立美術館を正面にして、
左手に進むと東京都美術館にすぐ到着いたします。

左手には上野動物園があります。

ロッカー情報

 

 東京都美術館は無料ロッカーが豊富です。コートを着込んでいたり、荷物が沢山あったとしてもこちらの無料ロッカーに預けられます。大中小兼ね備っています。

グッズ情報

 いろんな展覧会に行っておりますが、ここ最近の中で最もグッズが充実してました。

 図版からノート、Tシャツ、マグカップやチョコレートケーキなど、ハマスホイにちなんだり、デンマーク由来のデザインのものがあり人も多く活気が凄かったです。

展示内容

展示内容を入口から順に音声ガイドで登録されている絵画を中心に紹介します。4つのコーナーに分かれていまして、1~3=ハモスホイが敬愛したり影響を受けた画家。4=ハモスホイの絵画の順番に飾られています。

 1~3の絵画を楽しむことで「デンマークの歴史」と「影響」を理解した上でハモスホイの絵を鑑賞することができます。

入口|音声ガイドではプロローグ

画家と妻の肖像、パリ

 北欧のフェルメールと言われたハマスホイと、その夫人イーダの肖像画が入ってすぐに飾られています。夫人イーダはハマスホイの作品に頻出するモデルで、これからの画家人生の始まりのように見える眼差しをしていました。

日常礼賛ーデンマーク絵画の黄金期

 1800年から1864年までの「黄金期」と呼ばれる時代の作品が集まっています。活躍した多くは1818年王立美術アカデミーの教授となったクリストファー・ヴィルヘルムの弟子の絵画。

 黄金期の絵画は素朴で穏やかな作品が多く、「市民の絵画」として親しまれたらしいです。

クレステン・クプゲ|パン屋の傍の中庭、カステレズ

 クプゲはハマスホイが敬愛した画家の一人(1810年〜1848年)。クプゲの父は軍事に雇われるパン職人だったそう。飾られている絵はコペンハーゲンの軍事施設の風景画。

 今で言うイケメンな顔立ちの自画像も展示されています。

コンスタンティーン・ハンスン|果物籠を持つ少女

 風景画だけでなく肖像画も多く展示されていました。ハンスンはその代表画家の一人。飾られていたのは、ハンスンが肖像画を学び始めてすぐの作品。ハマスホイが晩年玄関横に飾っていたらしいです。

ヨハン・トマス・ロンビュー|シェラン島ロズスコウの小作地

 収穫間近の小麦畑を描いた美しい風景。当時は理想的な風景を描く、ナショナルロマン主義が発展していたためです。

スケーイン派と北欧の光

 1840年代にナショナリズムが活発化。美術においても風景画が良しとされず、伝統的な慣習を書くことを推奨されていた。そのため、画家達はユラン半島という未開の場所へ移動。厳しい自然環境や漁業をリアルに描くようにな離ました。その画家達をスケーイン派と呼日ました。

 このフロアにある絵は荒々しい男達の海馬の絵が多い。

ミケール・アンガ|ボードを漕ぎ出す猟師達

 スケーイン派の中心事物で、1874年にスケーインを訪れ1880年に結婚。

 まるで英雄のようでドラマティックな絵で、こうした絵で子供達に仕事を伝承していったそうです。

 少し歩くと、妻アナの絵があります。アナの絵は一転穏やかな肖像画で、女性と男性の生活の違いを物語っています。

ビーザ・スィヴェリーン・クロイア|朝食ー画家とその妻マリーイ、作家のオトベンソン

 フランス国内外で有名な画家で、1882年にスケーインに来ました。スケーイン派の全国的な展開に寄与した人物。

 何を話しているのか気になる描き方で、デンマークは濃い目のコーヒーが人気で、コーヒーが必須な国。そういった時代背景も読み取れました。またロイヤルコペンハーゲンの食器もありました。

外に人物相関図が飾ってあり、エスカレーターで上にあがります。

19世紀末のデンマーク絵画ー国際化と室内画の隆盛

 1870年代まで、愛国主義的な芸術感が強制され、リベラルな学生達で「独立展」という「シャロテンボー春季展」に反発する団体が組織されました。独立点は若手の活躍によりデンマーク画壇を活況に導き、国際化に大きく寄与しました。

 幸福な家庭生活を美しく描いた風景画や室内画が多い。

ヴィゴ・ヨハンスン|きよしこの夜

 クリスマスを家族や友人達と手を繋いで幸せそうにツリーを囲んで歌っています。

 ヨハンさんはスケーイン派代表のがか室内画を多く描いており、きよしこの夜はエッセンスを多くトりいれているそう。ヒュゲという心落ち着く感覚を取り入れています。

 その他の絵も室内画が多く描かれている。「遅めの朝食、新聞を読む画家の妻」はまさにイメージできるタッチである。

ビーダ・イルステズ

 ビーダは、ハマスホイの妻イーダの兄。1890年代に室内画を多く描きます。

 シンプルで上質なインテリアだが、どこか落ち着く理想的な絵。描かれている椅子は当時流行っていたものらしく、代々受け継ぐそんな当時の世界観も取り入れています。

カール・ホルスール|読書する少女のいる室内

 ハマスホイと生涯親交を結んだ人物。

 イメージ写真かと思うほどの綺麗ですっきりした構図でした。

ヴィルヘルム・ハマスホイー首都と静寂の中で

 コペンハーゲンの裕福な召喚に生まれたハマスホイ。アカデミー出身、クロイアを支持して海外の絵と触れる。20代半ばで世に出るも当時は独特なタッチから不支持が多く、恵まれたものではありませんでした。90年代半ばから室内画を描き評価されました。

 肖像画には内面を入れ込む、そのためには内面を知る必要があると考え、どこか悲しげであったり闇を感じる肖像画が多い印象でした。

古いストーブのある室内

 これまで展示されていた他の画家の作品とは一線を画す、どこか悲しげな暗い風景画。誰もいない部屋だが、どこか美しいです。あえて何もない状態を描いているらしく、例えばドアノブでさえも消しております。

 暮らしの気配がなく、少しモザイクかかっているため当時の風俗がわかりませんが、美しさを感じます。

三人の若い女性

 ハマスホイは知らない人を描かないそうです。この絵をよく知る人。妹やビーダ・イルステの妻、イーダ。

 ホイッスラーの絵を参考にしていると言われ、薄暗いモヤに包まれたかのような風景を描いていました。

室内

 テーブルとその奥にいる後ろを向いた女性を描いた室内画。後ろを向いた女性の絵が多いハマスホイですが、全て妻イーダです。

 少ない絵具で押さえられた色調がハマスホイの特徴です。

 ここで二階にエスカレーターであがります。

二階の展示

 風景画が多くシュラン島に滞在していたときの森や山が描かれていました。

 そのほかにも仮住まいの風景画や、ハマスホイが所有していたパンチボウルやお皿も展示してありました。その隣には再び後ろを向く女性イーダの室内画。なんとその女性の横に展示してあるボウルと同じものが描かれています。

38歳のイーダの肖像画

 37歳の時に手術をしております。この絵は緑の色調で描かれているため病弱なことを表しているのでは?と想像してしまいました。

セントペテロ聖堂

 クプゲが描いたフレズレクスクボー城をオマージュしたような構図で、クプゲを敬愛していたことが伝わります。

室内ー開いた扉ストランゲーゼ30番地

 ハマスホイとイーダが10年住んだアパートで今も現存するそうです。ハマスホイは自分が住んだ室内をよく描いていますが、余計な家具等はリアルに描いていなかったようです。

 先ほども記述しましたが、何もなくすることで美しさを追求したが故にドアノブさえもないのです。

カード・テーブルと鉢植えのある室内、ブレズゲーゼ25番地

 1909年に入居したアパートの室内。静寂な響きだけを求めていたのではと言われています。この絵を描いた5年後に51歳に死亡。1980年代に入って寡黙な絵が再評価され始めました。

 

終了。撮影用パネルが置いてあり、エスカレータでグッズ売り場に進みます。

音声ガイド|宮沢りえ

 宮沢りえさんの音声ガイドと共に回りました。声が非常に心地よく自然に内容が入ってきました。皆さんもぜひ音声ガイドを借りてみてください。

料金:560円(税込)

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